《4杯目》クスリか毒か
「薬用酒」「薬酒」などと都合のいい言葉がある。高じて「健康酒」だとか「酒は百薬の長」なんて言葉まである。酒飲みが口実に使いそうな表現の数々だ。そこで、問う。酒は薬なのか、毒なのか。結論は「両方」。
「酒飲み」を自認するほどに酒好きの自分が、年1回の健康診断時だけはさすがに「ちと飲みすぎ」を自覚させられる。それは結果をもって医者に指導を受けるからではない(自慢ではないが私の健診の数値はすこぶる良好)。自覚に至る最大の原因は、受診前問診で「これまで何年飲酒していますか」という設問だ。[1日平均飲酒量]ⅹ[365-休肝日数]ⅹ[飲酒総年数]=人生累積総飲酒量….。 ひゃぁ、よくもこれだけ飲んだもんだ。
しかし、だ。「飲みすぎ?」と思っても、「禁酒」「断酒」の文字は頭になく、ここは「傾向と対策」である。コツを心得て、上手に飲み続けたいと願う。栄養学や食分析やらが進化してくれるおかげで、医療や人工的な薬に頼らなくても、肝機能維持や血液サラサラの食材、血糖値スパイクを抑える食べ方、尿酸値を落とす秘策、世界中のスーパーフード、食べ合わせや飲み合わせの妙等々、実は食材や食事と運動の工夫次第で生活習慣病にならずに健康に日々アルコールを口にすることは可能なことなのだ。
とはいえ、過ぎたるは及ばざるがごとし。やはり「適量」「適度(度数)」「適頻度」でなければ、健康を損ねる可能性は小さくない。一歩間違うと酒=人生の薬は「クスリ」でなく「ヤク」ひいては「毒」になる。真剣なデトックスや医療が必要になってしまう。
発熱したり流行り風邪をもらったりすると当然酒なんか嗅ぎたくも飲みたくも見たくもなくなる。臥せって水分と栄養と睡眠で嵐を行き過ごせるよう、ただひたすら体を休める。やがて食事ができるようになり、いずれお酒も飲みたくなる。これが快癒・完治のサイン。そうやって健康が自覚できる。酒の美味しさは健康の証。幸せのバロメータでもある。私は飲酒を、自分をハッピーにしてくれる薬(クスリ)だと思っている。というか、もう、これ、実は「趣味」です。少しずつ、長く愛し続けるために今日も努力します💛。